レインボー通信
◆2005年8月10日発行
(第7期−第2号)
揚琴と中国琵琶のコンサート 沈兵さんと費堅蓉さんを迎えて
5月29日(日)通常総会に引き続いて行われたチャリティ・コンサートは、ご参加くださった方々にとても喜んでいただき、素敵なひとときとなりました。
初めて見る『揚琴』という楽器にビックリし、「中国の琴とお聞きしていたので日本のことのようなものを想像していたのですが、全然違いますね」と言うと、「そうですね。皆さんビックリされるんですよ。むしろ鉄琴のような感じですよね。」と、気さくに答えてくださる沈兵さん。すぐに、もうずーっと前から友だちだったように、仲良くなりました。
中国琵琶の演奏者の費堅蓉さんとは、住んでいるところが大阪と東京と離れているので、なかなか練習時間もなかったそうですが、そんな感じは微塵もなく、まさに息もピッタリ、きれいな音色に心が洗われるようでした。(ご紹介下さった山崎比紗子様曰く「天国で天女の演奏を聴くような感じですよ」う〜ん、まさしくピッタリの形容!)
今回のコンサートのテーマは『おかあさん』。私達になじみの深い“かあさんのうた”や“ふるさと”の演奏では、胸がいっぱいになって、思わず涙ぐんでひまう人もちらほら。
丁度、中国との関係がギクシャクしている時期でしたが、『音楽で日本と中国を結びたい』というお二人の思いそのままに、明るいトークで会場も和やかな暖かい雰囲気に包まれていました。
夏、日本でさえ、「今日も暑いねぇ〜」が挨拶代わりになっていますが、4〜6月のインドの暑さはとても比較になりません。その暑いインドで、子ども達のお世話のために長期ボランティアさんが、頑張ってくださっています。4月から元幼稚園教諭の高田美由希さんがレインボー・ホームで子ども達と一緒に暮らしています。 彼女からのお便りを紹介します。
 レインボー・ホームだより 高田美由希
元気いっぱいの子ども達
4月の中旬からレインボー・ホームの子ども達と生活させてもらって約2ヶ月。毎日40度近い最高気温の中でも、子ども達はどの子も元気元気。
女の子達は、年齢が近い子同士でおしゃべりをしたり、おままごとをしたり、小さな子も時々、お姉さんたちの遊びに混じったりしています。男の子達はみんなでクリケット。みんななかなか上手で、日本人ルームの窓ガラスを2回もわりました。レインボーの子ども達は自分の思いをはっきり表現するのでケンカもしょっちゅう。よくケンカをしているのがアシスとデバシスの兄弟。デバシスは他の子とケンカをしてもそんなに泣かないのに、お兄ちゃんとケンカをする時はすぐに泣きます。それも、赤ちゃんのような泣き方です。
もう一組、ロヒトとルチがここに来たのは去年の8月。私が始めてレインボー・ホームに訪れた時、二人は来て一週間の頃でした。まだまだ新しい環境に慣れず、不安でいっぱいの表情で、大人の女の人が来るとお母さんを思い出すのか、お兄ちゃんのロヒトはポロポロ涙を流していました。すると、ちっちゃなルチがやって来て、お兄ちゃんの涙を拭いていました。二人は支えあい、新しい場所で、誰にも頼れず、お互いに支えあい、守りあいながら、大きな不安にジッと耐えているように見えました。その頃の二人には、ケンカをする余裕もなく、自分が相手を守らなければという感じでした。
今、二人はよくケンカをしています。叩いたり、つねったり。ルチは泣きながら他のお兄ちゃんに助けを求めます。きっと二人にとってここが安心して過ごせる場所になり、沢山の兄弟達みんなが頼れる存在になったのでしょう。だから二人は、もうお互いだけで守り合うことなく、好きなだけケンカができるのですね。
心と心が触れ合って
ある日、ちょっと指を切った子が「バンドエイドを持って来い」と大いばりで言いました。血も出ていないし、何より偉そうな態度に私は頭にきて、「No!」といいました。すると今度は「他のお姉さんはくれたのに、お前は悪いお姉さんだ」と、悪口を言いました。「人に物を頼むのに何!」と、私はかたくなに拒みました。その後も、彼は顔を合わす度に「お前はバンドエイドをくれない悪いお姉さんだ」等、悲しくなることを言ってきます。私も大人気なくプッツンと切れて、何を言われても無視を通しました。
次の日の朝も、その子は態度を変えず、眼が合う度に何か言ってきます。私は、その子と顔を合わせないようにしました。でも、そんなことをしている自分がイヤで、自分の部屋に戻りました。一人で考えていると、「私は何をしているんだろう。私は何のためにここに来たのだろう。子ども達を心から愛するためじゃないか」と、やっと気づきました。
急いでその子の所へ行って、ぎゅっと抱きしめ、ほっぺにチュッ。「バンドエイドいる?」と聞くと、その子は「もういらない。ごめんね」と眼にいっぱい涙をためて言いました。「私だってごめんね」と言ってしばらく二人でくっついていました。その子が本当に欲しかったのはバンドエイドではなく、「大丈夫?」と心配してくれる愛情だったのだと思います。
どうか日本のお父さんお母さん、子どもの心にずっと残るたくさんの愛を伝えにきてあげて下さい。
言葉もよく通じない、習慣も違う、感じ方や考え方さえも違うように思えるインドで、私達は何ができるのだろうと思うこともありますが、一番大切なのは心に寄り添うことだと改めて教えられたお便りでした。きっと美由紀さんは、レインボー・ホームで『何をしたかではなく、そこにどれだけ心を込めたのかが大切なのです』とおっしゃったマザー・テレサの言葉を実践しておられるのだと思います。こういうすてきなボランティアさん達に支えられていることに、深く感謝申し上げます。
人それぞれ、いろいろな生き方があると思いますが、井上さんはもう少しで年金に手が届くというところで、永年勤めた会社を辞めて、インドで生きていく道を選んだ方です。以前から人生の最後はインドでと考えていらしたそうです。これからは、インドの中でも本当に貧しい人たちの為に自分ができることは何かを捜しながら生きていきたいと、さらっとおっしゃる素敵な人生の先輩です。
幸せいろいろ
レインボーに3週間滞在後、カリガート駅近くのあるお宅の間借り人となり一人暮らしを始めました。。ニルマル・ヒルダイ「死を待つ人の家」へ歩いて20分程、ご主人は日本でヨガの先生をしているとかで、留守を預かるママは、とてもおっとりと優しい45歳、いろいろ気遣ってくれるうえにインドの習慣などを教えてもらえるので大助かりです。冷蔵庫はじめすべての日用品を揃えるのは大変でしたが、何事も経験して知恵がつく、ですよね。
この辺りにも路上生活者はまだまだたくさん、ニルマル・ヒルダイへの行き帰りに彼らの暮らしや表情を観察していますが、悲壮感など微塵も無く、むしろたくましささえ感じます。旦那がどこかで日銭を稼いでいるのでしょうか、大盛りご飯にフィッシュカレーを作っていたり、子ども達も身なりこそボロですがみんな楽しそうに遊んでいます。いつも私に「hello」と笑顔を向けてくれる子もいます。ただし、稼ぎもままならぬことになっていたり、病人が出れば事情は変わるに違いありません。元気な者が生きていくためには、口数を減らすか病人を見捨てるしかないのです。ハウラー駅周辺などにはこうして必要なしとされた子どもや老人、病人が溢れています。そのうちごく僅かが、マザーハウス関連やその他の施設に収容されるという図式でしょうか。ここ何十年、そして今後もあまり変わらないであろうコルカタの現実を見て、私は四つの「幸せ」があるように思いました。もちろんそれぞれが意識しているかどうかは別にして。
一つは「明日の希望のない幸せ」、路上でともかくも親と一緒で、食べることもできる子ども達がそうではないでしょうか。二つ目は「してもらう幸せ」、マザーハウスなどの各施設にいる身障者、子ども、老人、病人は、ほんとに恵まれた環境で世界から訪れるボランティアたちの介護や愛を受けることができます。三つ目は「自分でできるようになる幸せ」これが一番大事なのですが、してもらう幸せをたくさんもらって成長し、やがて自分で掴み取る幸せを味わうことです。そして四つ目は「させていただく幸せ」、我々ボランティアにとっての幸せです。
レインボーの子ども達は、今親元で暮らせない寂しさがまだ強く、「してもらう幸せ」を感じていないかもしれないし、学校へ行く学べることも、日本のお父さんお母さんからの色んなサポートにも有難いとは思っていないかもしれません。でも私が切に願うのは、やがてレインボーを巣立つときには、「自分でできるようになる幸せ」をしっかり掴めるように、今与えられた機会を活かしてしっかり学んで欲しいし、good mannerを身につけて欲しいということです。そしていつの日か”レインボーに居てよかったな”と思ってくれたらなぁーと。そのためにマザー、スタッフ、我々の役割は、太陽のような心で子ども達の成長を支え、人としてのあり方を子ども達自身が気づいてくれるよう指し示してあげることだと思います。
真夏初体験ゆえ、ニルマル・ヒルダイでの午前中のワークだけでまだクタクタの状態ですが、もう少し余裕ができればレインボーにもっと通いたいと思います。(このムシ暑さは老体にいささかこたえます)井上須美子
 お知らせ
秋には、いろいろな行事がたくさん計画されていることと思います。ちょっと先のことですが、今から予定に入れておいてください。お手伝いいただける方は、東京事務所までご連絡ください。
ボランティアさん募集
グローバルフェスタJAPAN2005
『国際フェスティバル』の名で親しまれていたイベントが今年から名称を変更しました。
☆日時: 10月1日(土)、2日(日)10:00〜17:00 ☆場所: 東京都 日比谷公園 ☆仕事の内容: インドグッズ販売、パネル展示、リフレット配布等。
府中NPOまつり
☆日時: 11月20日(日)10:00〜17:00 ☆場所: 京王線府中駅駅前(新宿から特急で20分)府中グリーンプラザ ☆仕事の内容: バザー、インドグッズ販売、パネル展示、リフレット配布等。
園田真理子さん(看護士)インドへ出発
4月の高田美由希さんに続いて、7月には看護士の園田真理子が渡印。半年間の予定でレインボー・ホームに滞在し、子ども達の健康管理を行ってくださいます。「今回は、又お世話になります。私自身の心をピュアにする修行のために、参加させていただきますことを感謝し、楽しみにしております。始めは『私に何ができるのだろう』という焦りがありましたが、心に深く問い続けました。私自身のテーマである『ひとつひとつのことに、いかに心を込めるか‥』その修行をさせていただこうと思っています」(出発前のお手紙より)
どうぞ、子ども達のことをよろしくお願いいたします。
*** 編集後記 ***
夏真っ盛り。東京事務所は大きな通りからそれた静かな住宅街にあって、いつもは本当に静かなのですが、子ども達が夏休みとあって、この頃は夕方涼しくなると、外でワーワー遊び回る子ども達の声が聞こえます。ケンカをしたり、泣いたり、笑ったり、しきりやお姉ちゃんの怒る声がしたり、本人達は真剣に話しているらしいのですが、何ともほほえましい話や思わず笑いそうになるような話も聞こえてきます。元気な子ども達の声は、いつでも、どこでも同じ。時々、なんてうるさいんだろうと思ったりするのは、自分にゆとりがないからなんですね。
我が家の末娘の明日香も、夏休みに入ってから毎日のように遊び歩いています。小さなおにぎりを持って、今日はプール、明日はお友達の家と、朝から晩まで家にいた試しがありません。毎日遊んでばかりいるので、いつも一緒に遊んでいるお友達は、ある日「今日はしっかり勉強をしなさい」とおうちの人に叱られたそうです。。そういえば、夏休みの宿題もあったんだと思い出して、私も「今日は、お勉強道具を持って遊びに行きなさい」と命じました。「いってきま〜す」と出かけようとした娘。「暑いから、アイスを買ってあげよう」とコンビニに連れて行きました。外は、もう灼熱地獄。「アイスが溶けちゃうから、急いでいかなくっちゃ。ところで、勉強道具は?」「あっ、わすれちゃった。でも、急いで行かなきゃね」まんまとしてやられてしまった愚かな母。まあ、アイスは溶けてしまうけど、勉強は溶けたりしないものね。でも、夜になれば、疲れきって寝てしまう毎日。我が家の『ちびまる子ちゃん』は、休み中に宿題が終わるのかしら?(五十嵐志保)
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